下痢・嘔吐のとき、お熱が高いときの水分補給
下痢や嘔吐の時、水分や電解質は、排泄物としてそのままがカラダの外に逃げていってしまいます。また、感染症などでお熱が高いとき、水分は汗やヒフからの蒸発によってどんどん失われていきます。これらの症状がひどいと、体の水分が足りなくなり脱水症状を起こしてしまいます。病気のときに一番注意しなければいけないのが脱水にならないようにすること! です。
【脱水の症状】
@顔色が蒼白になる、A口唇がカサカサに乾燥する、B泣いても涙が出ない、Cヒフに張りがなくなる、Dオシッコの量や回数が極端に少ない、E不機嫌や倦怠感、などなどまざまな症状が出てきます。
これらの脱水症状が無いとき与えるのは、基本的にはどのような水分でもかまいません。もちろん、極端に甘いジュースや炭酸飲料、下痢がひどいときの牛乳などはやめましょう。胃腸に負担がかかってしまうからです。
【脱水、脱水傾向のとき何を飲ませればよいか?】
昔から、いろいろな事が言われてますね。古い先生などは「キャベツの搾り汁が良い」なんていうかもしれません。現在ではWHOの啓発活動の結果、世界的に、ORS(経口補液)が効果的である!と多くの人に認識されるようになりました。
【ORSって?】
わかりやすく言うと『飲む点滴』です。
水分補給に良いと言われているイオン飲料じゃダメなの?と思われるかもしれません。
ダメなんです。脱水の改善に必要な塩分(ナトリウム)が低すぎるのです。下の表を見てください。
イオン飲料は、脱水の改善のために必要なナトリウム(塩分)の濃度がとても低く、逆に糖分は多いですね。
これでは、小腸からの水分の吸収が悪くなり、糖が多いので浸透圧が高く腸に負担をかけてしまいます。
・大塚製薬より『OS-1』、和光堂より『アクアライトORS』というORSが発売になっています。
これらは、このままで脱水補正に飲んでいただいてOKです。
・ナトリウム(塩分)が十分入った飲み物(みそ汁の上澄みや野菜スープ)とアクアライトなどを少量ずつ、交互に与えるというのもよいでしょう。
こうなってくるとナカナカ、大変ですね。要するに、脱水になる前に、脱水にならないように、水分補給をしっかりするということがとても大切なんです。嫌がるから、飲まないから、を理由に水分を与えないと、後で大変になります。風邪症状が出たときは、水分補給を心掛けて下さい。
それでも、どんなに頑張っても急速に脱水症状になってしまうことがあるのがこどもです。そんな時は、点滴で直接血管のなかに水分と電解質を補う必要があります。
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